借金を全てチャラにできるという自己破産であっても、一部の支払義務からは解放されません。
債務整理は破産法に準じて運用されますが、そこで非免責事項に規定されているものは支払義務が継続します。
各種税金、養育費、罰金などがその例です。
他方、一緒に扱われがちですが、養育費が非免責事項であるのに対し、支払う相手が成人だからか離婚に際しての慰謝料は免責となるケースがなくはありません。
CMなどできいたことがあるかもしれませんが、債務整理のひとつに、もう債権者に全て支払ったという借金の利息を払い過ぎていればその返還が請求できるという「過払い金返還請求」があります。
過払い金返還請求に際しては、取引履歴と当時の借金の明細を確認できる書類が不可欠です。
これまでの取引履歴を確認することにより、利息がいくらなら妥当なのかがわかるため、多く支払われていた利息を返してもらうことができます。普通、債務整理を行う場合には専門家に依頼しますが、かかる費用は弁護士や司法書士で異なるため、一概には言えません。
任意整理の場合、債権者1件ごとに基本料金があるうえ、整理された借金の20%程度を成功報酬として払うことになるでしょう。
ちなみに、債務額や債権者の数に関係なく、基本料金は主に固定料金になっていますから、そこまで減額を必要としない債権者にも交渉すると、減額された借金の額よりかかる費用の方が高くつく場合があります。
弁護士などに債務整理の手続きを依頼した場合でも、短くとも数ヶ月は終わらないでしょう。とはいうものの、この期間中は延滞損害金や金利が付くことはないです。
なお、個人再生や任意整理の手続きを取った場合は、支払を続けることになります。
この債務についても、金利はかかりません。
けれども、万が一、返済が遅れてしまうと、この期間の延滞損害金と共に一括請求されたという事例もあるので、十分注意しておきましょう。債務者が支払不能になるおそれがある時に、過払い金を利息制限法に従って再計算し、今の債務額と相殺を行うことを目指す債務整理のことを特定調停と言います。
ただし、負債と比較して過払い金のほうが多い場合は、すでに利息制限法に基づいて計算し合意に達していることから、それを返金してもらえるということはなく、ただ債務がゼロ円になるだけの話です。
もし過払い金が戻ってくる可能性が高いと明らかな時は、特定調停で相殺するとお金が戻ってきませんから、最初から過払い金請求を行った方が良いでしょう。
今ある車はそのままに債務整理をしたいと思っているのなら、カーローンはそのままにしておいて、車の処分をされない方法で債務整理を行いましょう。
しかし、債務整理後も車の所有が続けられるかどうかは、生活における車の必要性が重視され、人によっては自己破産しても車が残る場合があります。
仮に車を手放すことになっても、日常生活を送るのに支障がないようならば、車を所有する許可が下りませんから、担当の弁護士などと打ち合わせをして、車を手放せない理由について説得できるようにしておきましょう。
時々、勘違いしている方がいるのですが、独身時代に債務整理をした人は、入籍して配偶者の苗字になったところでブラックが解消されるようなことはありません。業者が審査を行う場合、名前だけでなくその他の個人情報を組み合わせてブラックリストに登録されていないかをチェックするのです。
このように、審査では名寄せが行われるのが一般的です。なので、結婚で苗字だけが変わっても信用情報にひっかかることは変わらないでしょう。
債務整理を行う場合、どれくらいの借金があるのが妥当なのかというのも、簡単には答えられない問題です。もし、数十万円程度の借金ならば、どこかでお金を借りて、もともとの借金分を返すこともできます。でも、すでに借金があるので、融資してくれる業者は簡単には見つからないかもしれません。
返済が滞りそうだと思ったら、新たに借入をする前に弁護士などに話し、このまま返済するのか債務整理するのかを決めるのが最善の方法だと思います。金融機関が共有している個人信用情報には、債務整理をした履歴が何年間は保持されます。記録は信販会社の利用以外はもちろん、就職に影響する可能性もあります。例えば金融業界など、個人信用情報を閲覧できる会社に勤めようとする場合がそれに該当します。
どんなに努力して返済したとしても債務整理の記録があれば、ときにはその経歴に不審を持たれ、採用しないことだってありえるわけです。
採用する側も全員の信用情報をチェックしているかどうかはわかりませんし、採用されなかったら諦めるほかありません。
債務整理をしたことがあるという記録は、かなりの間、残ります。この情報が存在する間は、新たな借入が不可能です。
情報は何年かでいずれ消されますが、それまでは見ようと思えば誰でも見られる状態で保持されています。
借金を全てチャラにできるという自己破産であっても、

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